今年の夏の終わりごろ、8月18日のことである。
私は、東山区にある高台寺で、
夜の特別拝観があるという情報をキャッチして、
現地に向かった。
この寺は、豊臣秀吉の妻ねね(北政所)が、
秀吉の菩提を弔うため建立した寺院であるという。
東山の坂を上った見晴しのよい場所に建立されており、
敷地も大きいことから、秀吉亡き後も、ねねの権力は大きかったのだろうと
感じられる。
さらに、この高台寺では、茶室だけで3室あるそうだ。
お茶を飲むだけの建物を3つも作るとは、なんとも贅沢な話である。
遺芳庵や傘亭、時雨亭などの3つの茶席のうち、どれも中には入れず
それぞれが違う趣向を凝らした建物だけに、残念だった。
さて、筆者は、駐輪場に自転車を止めて、
高台寺の入口へと向かった。
すると、
↑入口付近の提灯には、一つ目小僧やからかさ小僧などが描かれており、
高台寺に入ろうとするものの胆力を試している。
筆者は、そのおどろおどろしさに恐怖しながらも、
まだ外が明るかったことに勇気を得て、
入口で拝観料を払い、中へと進んだのだ。
↑その先に進むと、靴を脱いで、建物の中へと入ることができる。
お寺にしろ、神社にしろ、靴を脱いで、
建物内部へと入れるところは、かなり少ないので、
貴重な体験になる。
初めて訪れた神社仏閣でも、
靴を脱ぎ、木の廊下を歩いていき、
ギシギシと木がきしむ音を聞くと、
なぜか懐かしく、安心感を感じるものだから不思議である。
さらに、この高台寺では、重要文化財の開山堂という建物が解放されていて、
その奥に美しい庭が見渡せる部屋があり、
そこで腰を下ろして、ゆっくり庭園や、周辺の建築物、その先の緑豊かな森などを
じっくり見ることができるのである。
この部屋では、ゆっくりした空気が流れ、木造建築のぬくもりを感じながら、
落ち着いた時をすごすことができる。
入場者の多くは、その部屋を気に入ったようで、
座ってのんびり庭を見ながら、思い思いの時をすごしていた。
これこそ夜間拝観の醍醐味である。
筆者も、時を忘れ、しばし、その開山堂のひと部屋で休息することができた。
穏やかな空気にすっかり癒された筆者は、
この後、対峙する危機がいかなるものか知る由もなかったのである。
~つづく~
【高台寺編 全記録】
高台寺編1 靴を脱いでゆったり庭を鑑賞できる至福の場所『開山堂』
高台寺編2 この東山の地に20m級の巨人が・・・
【公式ホームページ】
鷲峰山 高台寺
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