京都和久傳(きょうとわくでん)の蘇芳(すおう)で奥深くて優しい和食の味

2013年10月下旬のこと、ず~と行きたかった京都伊勢丹10階の料亭、京都和久傳(きょうとわくでん)についに訪れた時のことです。
この京都和久傳は、京都伊勢丹10階の中でもかなり高級なお店で、評価も高いお店で、料理を食べてみたいなとずっと思っていて、
この日満を持して来店しました。

料理のせいかな値段は忘れましたが、2800円くらいのコースと、5000円くらいのコースと1万円くらいのコースの3つコースが
表示されていました。よくある松・竹・梅コースのような位置づけのコースです。

この時は、2800円くらいの一番安いコースを注文しようと思っていたのですが、
来店するのが少し遅くて、そのコースが売り切れていました。

中ぐらいのコース「蘇芳(すおう)」は2倍近く値段がするので、どうするか悩んだのですが、
これは「5000円のランチを食べて見なさい。」という天の声だ!と判断して、
清水の舞台から飛び降りる勢いでこの「蘇芳(すおう)」を注文しました。

すると・・・

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↑ 店員さんにとても丁寧に案内され、カウンターの席に座りました。その後は、筆者専属みたいに(驚)、板さんが接待していただけました。

まず、食前のお湯をいただきました。
中にお米が入っています。
こんなお湯が出るなんて初めてのことで、よく分からないけど、食通のふりをして飲みました。

その後、竹筒に入った、和久傳謹製の日本酒(食前酒)を注いでいただきました。
筆者は、飲み会などがある時以外は、進んでお酒を飲むことはなく、
お酒は好きでもなく嫌いでもないという感じです。
でも、このお酒は、まろやかで飲みやすくとてもおいしかったのです。

「この日本酒は好きだ。」と思ったので、
2000円くらいなら一瓶買って家でも飲んでみたいと思ったのですが、
家に帰ってネットで調べると、なんと一瓶7000円くらいすることが判明(驚)
会計で値段を聞かなくてよかったです。なぜなら会計で値段を聞いても注文できず恥を
書くことになることがまちがいなかったからです(笑)

その後、ついに料理が登場です。
この5000円くらいのコースでは、手前の板さんが、筆者の専属という形で、
料理を渡してくれたり、説明してくれたりします。
そういう経験は旅行をして旅館とかに泊まった時くらいしかなかったので、
こういう世界もあるのだなと、とても新鮮な体験でした。

さて、最初に料理は、前菜的な料理かなと思いきや、
いきなり寿司でした。

むむむ・・・そう来たか。なかなか、やりよる。

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↑ 蘇芳 第1料理 鯖寿司(2貫)
鯖の味がよいことはもちろん、酢の味がきつすぎない優しい味の黒酢飯がとてもよく合います。
この鯖に合うように味付けされた昆布もすばらしい。

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↑ 蘇芳 第2料理 お吸い物
お吸い物の中には、丸い団子が入っていて、
その団子の中に栗をつぶしたペースト状のものが入っています。
お吸い物の中に、和菓子っぽいものが入っていたのでびっくりしたのですが、
栗が程よい甘さで、吸い物の塩味とよくマッチしていておいしかったです。

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↑ 蘇芳 第3料理 子持ち鮎の塩焼き
何の変哲もない塩焼きのように見えますが、
焼き加減が絶妙で家では再現できないだろう、サクッとした食感でした。

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↑ 蘇芳 第4料理 イモと干しリンゴ、クルミ、餅の和え物
4つ目の料理は意外にもスイーツっぽい料理が登場しました。
干しリンゴとお餅の食感がよく、クルミなどの素材自体が良いものを使っているように感じました。

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↑ 蘇芳 第5料理 サワラの揚げ物、ナスの煮物、かぶらにあんかけをかけたもの
サワラの揚げ物はほんのりお酒の風味がしていて、
からっと揚がっており、あんかけを絡ませるとそのハーモニーがすばらしかったです。

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↑ 蘇芳 第6料理 鯛の黒寿司
8枚ほどの鯛の切り身を黒酢の酢飯の上にのせたお寿司。
真打登場です。

何かいい香りがするなと思っていたら、
板さんが鯛の切り身の上にさっとカボス(すだち?)の皮を包丁で削ってかけているのを目撃しました。
それを見て細部の味付けがこのようにおいしさを引き出しているんだなと感じました。

「上のわさびを散らしてお食べ下さい」と板さんからせつめいがありました。
そのとおりわさびを散らすと・・・
すこし辛いかと思いま市型、全くそういうことはなく、ピリッとしたアクセントになっていた。
鯛も酢飯もわさびもすべて上品なお味でした。

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↑ 蘇芳 第7料理 栗あんの麸焼き

やわらかい麸焼きのなかに、栗のつぶあんが入っているお菓子です。
季節ものの栗あんとサクサクの麸焼きがおいしくて、軽く10枚くらい食べれそうです。
しかし小さいのが1枚で残念。「せめて、3枚くらいあればなあ・・・」

最後に、京番茶が出てきて、コースは終了となりました。

もう終わりなのか・・・もっとここの料理が食べたいなと思いました。
筆者的に、この京都和久傳(きょうとわくでん)の蘇芳はひとつだけ短所があり、それは、料理の量でした。
普段、1000円ちょっとのバイキングなどでたらふく食べるという感じなので、
「5000円もするなら、あと2,3品あればなあ・・・」また「1品1品がもう少し多ければなあ・・・」と率直に思いました。

量だけが不満に思った点で、料理の質、内容的にはすばらしく、また食べたいなと思える料理ばかりでした。

普段、砂糖や塩、しょうゆ、油などを多量に使った
濃い味付けのものを食べているのと比べると、
今回の京都和久傳の蘇芳コースはどれも薄味で
かといって、味がしないわけでなく素材の味を引き出している絶妙な味付けで、
胃にも優しい料理ばかりでした。

また、若い板さんががんばっているのを見て、刺激を受けることができました。

とにかく味は素晴らしく、和食はすごい奥が深いなと思える料理の数々でした。
季節を変えて、再訪したいです!

【私的 グルメポイント】82/100点

【公式ホームページ】
京都和久傳(公式サイト)

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